| STATE | ![]() |
ENTRY | <<new | 1 / 24pages | old>> |
|
技術と誇りを体言する 宇田大工
江戸時代から続く大工。宇田大工。
脈々と続く「大工の血」というのは、 恐らくDNAレベルなのだ と、彼と話していて感じた。 実に職人らしい。 「技術」「歴史」「誇り」 そのような言葉を感じさせるのが、この宇田大工。 ![]() 彼に担当してもらっている新築での話。 子供部屋と書斎にロフトがあるのだが、 【そこに手すりを作りたい】 という話になった。 予算の事もあるので、どうするかを相談したのだが はっきりといわれた言葉が ![]() 実に、彼らしい。 職人気質であり、自分の仕事に 自信と誇りが無いと言えない言葉である。 そして、彼の仕事はそれを「体言」している。 この手すりは結局どうなったかというと、 打ち合わせの結果 何の変哲の無い木材を数本用意しただけで、 彼は、半日でこれを作った。 ![]() 驚くなかれ、これは一部。 もう一箇所、手すりを作っている。 正直、その美しさに驚いた。 「職人じゃきんな。大工って名乗るなら、これぐらいせんと」 有言実行。心の底から、凄いと思った。 |
![]() |
|
棟上に挑む大工さんたち
うちの棟上は、他のハウスメーカーなどに比べると
人数が少ない事が多い。他の所よりも2、3人は少ない。 しかし、大体が予定通りに進む。 昼間には2階部分の柱が建って、 夕方には小屋束が立ち、棟が上がる。 私がもっと駆け出しの頃 一度、大工さん達に聞いた事がある。 『なぜ、人を増やさないのか?』 『人を増やしたら、もっと進むんじゃないのか』 しかし、大工さんたちは、笑ってこう応えた ![]() ![]() 棟上を正確にスムーズに進めるには、 大工同士の連携は非常に重要になる。 そもそも、大工という職人は、いつもは一人で作業をする。 しかし、棟上で重要なのは、それとは違う「連携」である。 それぞれの役割分担をしっかり把握し、 独立した仕事を十分こなした上での、連携。 決して、馴れ合いでない。 それはお互いが個々の腕を認めて、信頼しないと成し得ない。 その信頼の上で、更に長年の経験がある。 だから、棟上の一人ひとりの行動に戸惑いが無い。 自分がやるべき事が 誰にもいわれずに「分かっている」のだ。 彼らは、それが分かっているから 「人が多けりゃええってもんじゃない」 そう言えるのだ。 何も無かった所に 1日で大きな形ができあがるダイナミクス。 一切の無駄がない、洗練された作業の美しさ。 棟上は決してショーではない。 人に見せる為にやるものではない。 しかし、彼らがする棟上はそういう所に 「魅入ってしまう」「見とれる」のであろう。 私も棟上はいつも見てるが 洗練されたプロの仕事はやっぱりいつも厭きない。 |
![]() |
|
四国中央市上分町にて建築開始
|
![]() |
|
和は力。「石井大工」兄の一言
現場には、職人たちの世界がある。
職人たちのルールがある。 昔から現場では、「大工の棟梁が一番偉い」 そういう風習もその一つ。 先代からそういう世界を見てきた石井大工。 しかし、彼がつくる現場の雰囲気は、違う。 ![]() ![]() 「現場では大工が一番偉い」 というのに、鼻をかける大工がいる。 そんな大工は2流・3流、というのは 石井大工を見て感じる。 例えば、大工が自分のペースだけで仕事をすると 他の電気工事や水道工事などの、 壁の中の作業を考えずに 工事ができてようができてまいが壁をふさぐ。 大工の言い分は 「それまでに工事できてなかった方が悪い。 その場にいなかった方が悪い。」 という理論だ。 無茶苦茶なようだが、これが昔ながらの現場のルール。 その現場に間に合わなかった電気・水道の職人は その壁をはがして、無理に工事をするらしい。 だから、そのような大工が仕切る工事現場の 目に見えない所は、無茶苦茶になっている事があるらしい。 しかし、石井大工は違う。 「○○日ぐらいに、壁を作るんじゃけど 配管しに来てくれんの?」 「天井の下地を○○日に作るから、それから配線しに来なよ」 「ついでじゃきん。そこのコンセントの穴、あけとくわ」 などと、他の職人たちと非常に仲が良い。連携が取れている。 何より、決して威張らない。 同じ職人としての目線で 同じ家を作る仲間の目線で話し合う。 お互いに協力しあって作っていく。 石井大工、曰く 「家っていうのは、工場で作るようなもんじゃない。 職人の手で作る所が大半じゃろ? 大工や電気屋やクロス屋や言うても 所詮は人間じゃきんな。 そんな、偉そうにしても、ええ仕事はできんし ええ家なんてできんよ。 みんなで助け合って、協力し合って 家っていうのはできるんじゃきん。 みんな気持ちよく、良い仕事をして、 住む人に『良かった』と思って欲しいだけよ。」 だから、他の職人たちも100%以上の力が出せる。 職人たちの和が、力となり、技となる。 そして、良い家ができる。 大工の棟梁は決して、腕だけが技術でない。 人徳も技術の一つだと、この人から学んだ。 |
![]() |
|
コンマmm以下を操る「石井大工」の一言
腕の良い職人がモノを作ると
「美しく」モノが出来上がる。 その仕上がりの美しい事で評判の石井大工だが その人がふとこういう事を言っていた。 ![]() ![]() 石井大工とは出会ってから間もない頃、この言葉を聞いた。 目に見える所が綺麗な職人だから まぁそんな事はないだろうと思っていたが 実際はそうでなかった。 目に見えない所… 階段下、床下、壁の内側… こういう所の方が 目に見える所よりも数倍時間を掛ける。 石井大工曰く 「目に見えないこういう所が、しっかりしてないと 家が丈夫で長持ちせん。 後から修理もできやせん。 一度作ったものを、また手を入れるという事もしたくないし。 せっかく、住む人に迷惑もかかろう? まぁ。これが大工っていうか、プロのこだわりだわな。」 と、はにかみながら言っていた。 その時、この人の仕事の美しさの理由が少し分かった気がした。 |
![]() |










